
人生100年時代と言われる昨今、老後について多くの方が考える機会が増えているかと思います。そのため早いうちから老後資金の準備が必要になってきています。
物価もどんどん上昇する中、今後予想される問題と解決策、老後資金の準備を行うためにはどうすれば良いのか?を解説していきます。
物価上昇により、老後はさらにお金が必要になる!?

「将来、物価がどんどん上がって、生活が苦しくなるのでは?」そんな不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。
少子高齢化やグローバル化など、日本を取り巻く環境は大きく変化しており、物価の動向は私たちの生活に大きな影響を与えます。
物価上昇の主な原因は下記になります。
1. 少子高齢化による労働力不足
少子高齢化が進み、働く人が減ると、生産性が低下し、企業はコストを回収するために製品やサービスの価格を上げざるを得ない状況に陥ります。
2. エネルギー価格の高騰
化石燃料の価格上昇は、私たちの生活に深く根差しています。エネルギー価格の上昇は、電気料金やガス料金だけでなく、輸送費や原材料費にも影響を与え、結果的に様々な商品の価格上昇につながります。
3. 円安
円安になると、輸入品価格が上昇し、国内の物価も押し上げられます。特に、海外からの輸入が多い食品や燃料などの価格上昇は、私たちの生活に直結します。
4. 世界的なインフレ
世界的なインフレの流れは、日本にも影響を与えます。世界的な物価上昇は、輸入物価の上昇だけでなく、国内での賃上げ要求や企業の利益率確保のための価格転嫁を促し、インフレを加速させる可能性があります。
物価上昇が私たちの生活に与える影響

物価上昇は、私たちの生活に様々な影響を与えます。
- 生活費の増加: 食料品、光熱費、家賃など、生活に必要なものの価格が上昇し、家計を圧迫します。
- 貯蓄の価値低下: 預金などの金融資産の価値が下がり、老後資金が目減りしてしまう可能性があります。
- 消費意欲の低下: 物価上昇により、消費意欲が低下し、経済が停滞する可能性があります。
- 社会不安の増大: 生活が苦しくなり、社会不安が増大する可能性もあります。
これらは私たちのが年を取るにつれてより深刻な問題になる可能性があります。
そのために老後資金は早いうちから準備をしていないと将来大変なことになってしまう可能性があります。
老後資金がないとどうなる?

「老後なんてまだ考えたくない」「今は楽しみたいから、将来のことは後回し」
そんな風に思っている方も多いのではないでしょうか。
では、老後資金がないと、具体的にどのような問題が起こりうるのでしょうか?
20代~40代の皆さんに向けて、老後資金がないことのリスクについて、より詳しく解説します。
1. 生活水準の低下
老後資金が不足すると、生活水準を大幅に下げなければならなくなる可能性があります。具体的には、以下のようなことが考えられます。
- やりたいことができなくなる: 旅行、趣味、習い事など、やりたいことを諦めなければならない可能性があります。
- 食生活の制限: 高価な食材を避け、栄養バランスの偏った食事になる可能性があります。
- 住環境の変化: 広い家に住み続けることができず、狭い家に引っ越したり、介護施設に入らなければならなくなる可能性があります。
2. 病気や介護への備えができない
病気やケガをしたとき、高額な医療費がかかることがあります。
また、介護が必要になった場合、介護サービスを利用するために費用がかかります。
老後資金がなければ、これらの費用を捻出できず、家族に経済的な負担をかけたり、自分自身の生活が大きく困窮したりする可能性があります。
3. 心理的なストレス
老後資金の不安は、大きなストレスになります。
老後の生活を心配し、常に不安を感じながら過ごすことになるかもしれません。
また、健康状態の悪化にもつながる可能性があります。
4. 家族への負担
老後資金が不足している場合、子どもや親族に経済的な負担をかけてしまう可能性があります。
子どもたちの教育費や住宅購入の資金を援助できなくなったり、親族に介護を頼らざるを得なくなったりするケースも考えられます。
めんどくさいからといって老後資金の準備を後回しにすると、将来の負担増加につながります。
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老後資金の準備:新NISAとiDeCoを活用しよう

「資産形成に興味はあるけど、新NISAとiDeCoって何が違うの?」「どっちを始めればいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そんな初心者の方に向けて、新NISAとiDeCoの違いをわかりやすく解説していきます。
それぞれのメリット・デメリットなど、資産形成の第一歩を踏み出すためのヒントをお届けします。
新NISAとは?
新NISAは、少額から投資を始められる、国が後押しする制度です。
株式や投資信託などの金融商品で得た運用益が非課税になるため、効率的に資産を増やすことができます。
○メリット
- 非課税: 運用益が非課税になるため、税金がかからず、運用効率が良い
- 少額から始められる: 月額1000円から投資できる商品もあり、手軽に始められる
- 商品が豊富: 株式、投資信託など、さまざまな商品から選べる
×デメリット
- 年間投資上限額: 年間投資の上限額が設定されている
iDeCo(イデコ)とは?
iDeCoは、個人型確定拠出年金のことです。
老後資金の準備を目的とした制度で、掛金の一部または全額が所得控除の対象になります。
○メリット
- 所得控除: 掛金の一部または全額が所得控除の対象になり、手取りを増やせる
- 運用益非課税: 運用益が非課税になる
- 拠出金全額が控除される場合も: 会社員の場合、企業型確定拠出年金(DC)に加入していない場合は、拠出金全額が所得控除の対象になる可能性がある
×デメリット
- 60歳まで引き出し不可: 原則、60歳まで資金を引き出すことができない
- 商品が限られる: 投資できる商品は、iDeCo専用の商品に限られる
新NISAとiDeCoの違いを比較
新NISAとiDeCoを比較した表は下記となります。
項目 | 新NISA | iDeCo |
---|---|---|
目的 | 資産形成全般 | 老後資金の準備 |
税制優遇 | 運用益非課税 | 所得控除、運用益非課税 |
非課税期間 | 無期限 | 最長75歳まで |
資金の引き出し | いつでも可能 | 原則、60歳まで不可 |
商品 | 株式、投資信託など | iDeCo専用の商品 |
基本的に新NISAはいつでも引き出しできることから、積極的に投資をしていくことができます。
iDeCoに関してはあくまで老後資金の準備のために行う事ですので、何十年という長期的なスパンでコツコツ投資をしていく必要があります。
新NISAとiDeCoを始めるべき5つの理由!

新NISAとiDeCoを「今すぐ」始めるべき理由を5つご紹介します。
これらの制度を最大限に活用して、豊かな老後を送るための第一歩を踏み出しましょう!
1. 複利効果で資産が雪だるま式に膨らむ!
複利効果とは、投資で得た利益を再投資することで、その利益がさらに利益を生み出し、資産が雪だるま式に増えていく効果のことです。
20歳から投資を始めた人と、30歳から始めた人を比較すると、20歳から始めた人のほうが10年間も複利が働く期間が長くなります。
この10年の差は、最終的な資産額に大きな差を生み出す可能性があります。
ですので早ければ早いほど、老後資金の準備が楽になります。
2. 長期的な視点で資産形成ができる
新NISAやiDeCoは、短期的な投資ではなく、長期的な視点で資産形成を行うための制度です。
短期間で見ると、株価は上下に大きく変動しますが、長期的に見ると右肩上がりになっているのもあります。
そのため、長期投資であれば、一時的な市場の変動に振り回されることなく、安定的に資産を増やしていくことができます。
3. 税制優遇のメリットを最大限に活かせる
新NISAやiDeCoは、国が投資を奨励するために設けられた制度であり、税制優遇のメリットがあります。
- 運用益が非課税:新NISAやiDeCoで得られた運用益は、一定の金額までは非課税となります。つまり、税金を払うことなく、資産を増やしていくことができるのです。
- iDeCoは掛け金が全額所得控除:iDeCoの場合、掛け金が全額所得控除の対象となるため、手取り収入が減り、所得税や住民税の負担が軽減されます。
これらの優遇された制度を利用することがより多くの資産を確保するために大切です。
4. 心理的なメリットも大きい
新NISAとiDeCoを利用することにより、心理的なメリットもあります。
- 将来への不安が軽減される:老後資金の準備を進めることで、将来への不安が軽減され、心の余裕が生まれます。
- お金の知識が身につく:投資を始めることで、お金に関する知識やスキルが自然と身につきます。
お金に関しての関心と知識を深めることで、将来に対する不安を軽減することも可能です。
5. 社会保障制度の変化に対応できる
年金制度は、少子高齢化の影響で将来どうなるか不透明な部分があります。
新NISAやiDeCoで自分自身で資産形成を行うことで、年金だけでは不安な将来に対して備えることができます。
年金で生活している方の多くは貯蓄を取り崩している赤字状態です。
そういったことに対処するためにも新NISAやiDeCoといった制度は役立ちます。
NISAとiDeCoどっちを選ぶ?性格別おすすめプラン

20代から40代の方は、これからの人生設計を考え、老後資金の準備を始める方も多いのではないでしょうか。
20代~40代の若年層の方に向けて、老後資金の貯蓄に役立つ「新NISA」と「iDeCo」のどちらがおすすめなのか、あなたの性格別に解説していきます。
1. じっくりコツコツ型
- 特徴: 長期的な視点で、安定した資産形成を目指したい人。
- おすすめ: 新NISAとiDeCo、どちらも利用することをおすすめします。コツコツ型の方は長期的な視点を持っているため少額を長い期間積み立てる事で安定した資産形成が可能です。
2. リスクを取って大きく稼ぎたい型
- 特徴: 短期的なリターンを求め、積極的に投資したい人。
- おすすめ: 新NISAを利用することをおすすめします。積極的に運用できる投資信託や個別株を選ぶことで、高いリターンを目指すことができます。ただし、リスクも高くなるため、注意が必要です。
3. 将来の不安が大きい型
- 特徴: 老後資金だけでなく、住宅購入や教育資金など、将来の大きな支出に備えたい人。
- おすすめ: iDeCoを利用することをおすすめします。所得控除のメリットが大きく、老後資金の準備に特化しているため、将来の不安を軽減できます。ただし、60歳まで引き出せないため、中長期的な視点が必要です。すぐに引き下ろしたいお金がある場合は新NISAも合わせて検討しましょう。
4. 面倒なことは避けたい型
- 特徴: 投資は初めてで、手間をかけずに始めたい人。
- おすすめ: 新NISAを利用することをおすすめします。ロボアドバイザーなど、初心者でも簡単に始められるサービスが充実しています。
どちらの制度を選ぶかは、あなたの性格やライフプランによって異なります。
- つみたてNISA: 長期的な資産形成、少額から始めたい、様々な投資信託を選びたい
- iDeCo: 老後資金の準備に特化、所得控除のメリットを最大限に活かしたい
もし迷ったら、専門家に相談してみることをおすすめします。
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まとめ
老後資金の準備は、決して早すぎることはありません。今から少しずつでも始めることで、より豊かな老後を送ることができます。
逆に遅すぎると老後資金の準備が間に合わず、将来苦労する可能性がありますので十分注意してください。
ぜひ、自分に合った制度を選んで、老後資金のための資産形成を始めてみましょう。